2026/05/06

健診で「腎機能が少し落ちている」「尿蛋白が出ている」と言われて気になっている方、糖尿病や高血圧を治療中で「腎臓も心配」と感じている方は少なくありません。
慢性腎臓病(CKD)は症状が出にくいまま進行することがあり、早期に発見して対策を始めることが、将来の透析リスクを下げる鍵になります。
当院、緑野クリニックは内科と透析科を併設したクリニックで、腎臓病の早期段階から透析が必要な段階まで院内で一貫してフォローできる体制を整えています。
本記事では、CKDの基本、サインと自覚症状、原因、当院での検査と治療、よくあるご質問までをまとめました。
慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease)は、腎臓の機能が低下した状態(eGFR 60mL/min/1.73㎡未満)、または蛋白尿が出ている状態が3ヶ月以上続いていることで診断される疾患の総称です。
日本腎臓学会のガイドラインでは、CKDの重症度はeGFRと蛋白尿の程度から、ステージG1〜G5に分類されます。
初期段階(G1〜G2)では自覚症状はほとんどありません。
進行してG3、G4、G5となるにつれて、むくみ・倦怠感・夜間頻尿・貧血などが出てくることがあります。
最終的にG5まで進行すると、透析や腎臓移植が必要になります。
CKDの怖さは、自覚症状なく進行することと、心血管疾患のリスクを大きく高めることにあります。
腎機能が低下している方は、脳卒中・心筋梗塞・心不全のリスクが一般の方より高いことが知られています。
早期発見と進行抑制は、腎臓だけでなく全身の健康を守るうえで重要です。
CKDが進行すると、次のような症状が現れることがあります。
ただし、こうした症状は進行してから出てくることが多く、早期発見には健診での尿検査・採血が欠かせません。
健診で「尿蛋白(±)〜(2+)」「血清クレアチニン高値」「eGFR低値」と指摘された方は、症状がなくても一度ご相談いただくことをおすすめします。
慢性腎臓病の主な原因は次のとおりです。
糖尿病・高血圧をお持ちの方は、CKDの最も大きなリスク要因です。
これらの疾患を治療している方は、定期的な腎機能評価が重要です。
当院ではCKDの評価のために、次の検査を院内で行っています。
尿アルブミン定量は、糖尿病性腎症の早期サインとして特に重要です。
健診で測定されない項目のため、当院では必要に応じて追加します。
腎生検が必要となる場合は専門医療機関と連携してご紹介します。
CKDの進行を抑える生活習慣の改善は、次の項目が中心です。
食事療法はCKDのステージや併存疾患によって細かく異なります。
特にG3以降では塩分・タンパク質・カリウム・リンの制限が必要になることがあり、専門的な栄養指導が役立ちます。
体重管理のために生活面の見直しが必要となる場合は、診察時に個別にご相談いただけます。
CKDの進行抑制には、次のような薬剤が使われます。
近年、SGLT2阻害薬が糖尿病・非糖尿病両方のCKDで腎保護作用を示すことが分かり、糖尿病以外のCKDにも積極的に使われるようになっています。
慢性腎臓病の早期段階から、もし透析が必要になった段階まで、同じ医師チームと同じクリニックで継続的にフォローできるのが当院の体制の特徴です。
透析が必要になった場合の流れや当院の透析体制については、診察時にご相談ください。

当院の透析体制は、日本透析医会の自主機能評価指標に基づく定期評価で公開されており、次のような数値が示されています(出典:当院公式サイト「血液透析・腹膜透析」ページ /dialysis/)。
Kt/V 1.2以上の達成率90%という数値は、日本透析医会の自主機能評価指標で公開された当院の指標値であり、適切な透析量が安定して提供できていることの一つの目安です。
腎臓病の早期段階の方にとっても、「もし透析が必要になったときに、安心して任せられる場所がある」という事実は、心理的な支えになると考えています。
まずは正確な評価が必要です。
当院で採血・尿検査を行い、CKDのステージや原因を確認したうえで、生活習慣の改善や薬物療法の必要性を判断します。
健診結果をお持ちいただけると、初診の時間を有効に使えます。
原疾患(糖尿病・高血圧など)の治療と、減塩・禁煙・適正体重の維持・服薬遵守が基本です。
早期に対策を始めるほど、進行抑制効果が期待できます。
CKDのステージや併存疾患によって異なります。
一律に厳しく制限するのではなく、現在の状態に合わせて医師・管理栄養士(連携)が個別にご案内します。
3疾患はすべて関連しているため、優先順位というより「全体を整える」アプローチが基本です。
当院では生活習慣病3疾患と腎臓病を一体管理しています。
腎生検は専門的な検査のため、必要な場合は連携医療機関へご紹介します。
慢性腎臓病(CKD)は、自覚症状がないまま進行することが多い疾患です。
健診で異常を指摘された方、糖尿病・高血圧で腎機能が心配な方、家族にCKDの方がいる方は、ぜひ早めにご相談ください(0297-30-3311)。
腎臓病の早期段階から透析が必要な段階まで、同じ医師チームで継続的にフォローできるのが当院の強みです。
透析が必要となった場合の流れ(導入時期の判断基準・準備期間の目安・通院スケジュールの組み立て方など)を、CKDが進行する前の段階から理解しておくと、判断のタイミングで迷いが減ります。
監修:緑野クリニック 院長 土谷良樹
東京大学医学部卒業後、地域の中核的な医療機関で24年にわたって、地域とともに診療。
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、診断・治療方針は医療機関で確認してください。
記載内容は2026年5月時点の情報です。