慢性腎臓病
Kidney Disease

慢性腎臓病

慢性腎臓病(CKD)の難しさは、気づかないまま進む点にあります。
健診の尿蛋白やeGFRの低値は、自覚症状が出るよりかなり前から現れる重要なサインです。ここで放置するかフォローに入るかで、将来の見通しが変わります。
緑野クリニックは内科・透析科を併設しており、CKDの早期段階からの内科フォローを同じ医師チームで担っています。

糖尿病や高血圧のある方は、腎臓への影響を定期的に確認しておくことをおすすめします。

慢性腎臓病(CKD)とは

診断とステージ

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、腎臓の機能が低下した状態(eGFR 60mL/min/1.73㎡未満)、または蛋白尿が出ている状態が3ヶ月以上続いていることで診断される疾患の総称です。
日本腎臓学会のガイドラインでは、CKDの重症度はeGFRと蛋白尿の程度から、ステージG1〜G5に分類されます。

自覚症状が出るのは進行してから

初期段階(G1〜G2)では、自覚症状はほとんどありません。進行してG3、G4、G5となるにつれて、むくみ・倦怠感・夜間頻尿・貧血などが出てくることがあります。
CKDが注意を要するのは、自覚症状なく進行することに加えて、心血管疾患のリスクを大きく高める点です。腎機能が低下している方は、脳卒中・心筋梗塞・心不全のリスクが一般の方より高いことが知られています。早期発見と進行抑制は、腎臓だけでなく全身の健康を守るうえで重要です。

こんなときはご相談ください

  • 健診で尿蛋白・尿潜血を指摘された
  • クレアチニン・eGFRが基準外だった
  • むくみ(顔・手足)がある
  • 夜間頻尿・尿量の変化がある
  • 倦怠感・疲れやすさが続く
  • 糖尿病・高血圧の治療を受けている

これらの症状は進行してから出てくることが多く、早期発見には健診での尿検査・採血が欠かせません。
症状がなくても、健診で指摘があった方は一度ご相談ください。

主な原因と、当院で対応する疾患

慢性腎臓病(CKD)の診療

慢性腎臓病アイコン

検尿異常から腎機能の低下まで、慢性腎臓病の早期発見と進行抑制に努めます。定期的な血液・尿検査で腎機能の推移を追いながら、血圧や血糖、食事内容を含めた総合的な管理を行います。

糖尿病関連腎臓病

糖尿病が長く続いた結果、腎臓の糸球体に障害が起きるものです。初期には自覚症状がほとんどないため、定期的な尿検査で早い段階の変化を捉えることが大切です。
尿アルブミン定量は早期のサインとして特に重要ですが、健診では測定されないことが多い項目のため、当院では必要に応じて追加します。血糖と血圧のコントロールを軸に、腎臓への負担を抑える治療を進めます。
糖尿病など生活習慣病の診療についてはこちら

腎炎(慢性糸球体腎炎など)

IgA腎症などの自己免疫的な機序によるもので、健康診断での血尿・蛋白尿をきっかけに見つかることが多い病気です。
原因や進行の程度によって必要な対応が変わるため、まずは検査で状態を丁寧に確認します。なお腎生検は入院が必要な検査のため当院では実施しておらず、必要な場合は適切な医療機関へご紹介します。

腎硬化症

高血圧により腎臓の血管が硬くなり、機能が低下していく状態です。血圧を適切な範囲に保つことが、進行を抑えるうえでもっとも重要になります。
降圧薬の調整と生活面の見直しを組み合わせ、無理なく続けられる管理を目指します。

そのほかの原因

  • 遺伝性腎疾患(多発性嚢胞腎など)
  • 加齢に伴う腎機能の低下
  • 薬剤性腎障害(長期の鎮痛薬使用など)

当院での検査と治療

検査

CKDの評価のために、次の検査を行っています。採血から結果説明まで当院で対応します。

  • 採血(eGFR・血清クレアチニン・尿素窒素・電解質・ヘモグロビン)
  • 尿検査(尿蛋白・潜血・尿アルブミン定量)
  • 必要に応じて腹部エコー等の画像検査

生活習慣の改善

CKDの進行を抑える生活習慣の改善は、次の項目が中心です。食事療法はステージや併存疾患によって細かく異なるため、当院では医師・看護師が状態に合わせてご案内します。

  • 減塩(1日6g未満が目安)
  • 適正なタンパク質摂取(腎機能のステージに応じて調整)
  • 禁煙
  • 適正体重の維持
  • 水分摂取の調整(状態によって増減)

薬物療法

進行抑制のために、次のような薬剤を使用します。近年はSGLT2阻害薬が糖尿病・非糖尿病の双方のCKDで腎保護作用を示すことが分かり、糖尿病以外のCKDにも用いられるようになっています。

  • 降圧薬(特にARB・ACE阻害薬は腎保護作用も期待されます)
  • SGLT2阻害薬
  • 必要に応じた貧血治療(ESA製剤・鉄剤)
  • 尿酸管理・電解質管理

透析科併設だからできること

慢性腎臓病の早期段階から、もし透析が必要になった段階まで、同じ医師チームと同じクリニックで継続的にフォローできるのが当院の体制の特徴です。
透析が必要になった場合の流れや当院の透析体制については、診察時にご相談いただけます。
当院の透析治療についてはこちら

よくあるご質問

eGFRが低いと言われましたが、どう動けばよいですか?
まずは正確な評価が必要です。当院で採血・尿検査を行い、CKDのステージや原因を確認したうえで、生活習慣の改善や薬物療法の必要性を判断します。健診結果をお持ちいただけると、初診の時間を有効に使えます。
透析を避けるためにできることはありますか?
原疾患(糖尿病・高血圧など)の治療と、減塩・禁煙・適正体重の維持・服薬の継続が基本です。早期に対策を始めるほど、進行抑制の効果が期待できます。
食事制限はどこまで必要ですか?
CKDのステージや併存疾患によって異なります。一律に厳しく制限するのではなく、現在の状態に合わせて医師・看護師が個別にご案内します。
高血圧・糖尿病もありますが、優先順位はありますか?
これらの疾患はすべて関連しているため、優先順位というより「全体を整える」アプローチが基本です。当院では生活習慣病と腎臓病を一体的に管理しています。
腎生検は当院で受けられますか?
腎生検は入院が必要な検査のため、当院では実施しておりません。必要な場合は適切な医療機関へご紹介します。

予約なしでいつでも受診いただけます。
健診で腎臓の数値を指摘された方は、お早めにご相談ください。

本ページは日本腎臓学会のガイドラインを参考に作成した一般的な医療情報であり、個別の診断・治療・助言に代わるものではありません。気になる症状や治療方針については、必ず医師の診察をお受けください。